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会社が行うべき4つの「車両管理」とは?目的と車両管理規程の内容

会社が行うべき4つの「車両管理」とは?目的と車両管理規程の内容

「会社で車両管理を任されて、何をすればよいか分からない」

「車両管理規程を作るよういわれたが、何のこと?」

 

会社の車両管理は、車自体の管理だけでなく人の管理やコスト管理など、業務の幅が多岐にわたります。

通常の業務とは異なる車両管理を急に任され、頭を抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

 

そこでこの記事では、会社が行うべき車両管理を大きく4つに分けてご紹介します。

中でもとくに重要とされる「車両管理規程」の作成についても詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

 

 

1. 会社の車両管理とは

 

会社の車両管理とは、車両管理責任者が主体となって自社所有の車両(営業車・役員車・配達車両など)を管理することです。

一般的には、車両保険や車検の管理、リースの更新・新車購入の検討などの業務が想像できますが、それだけではありません。

 

車両管理を徹底し、安全運転を浸透させることで、事故を未然に防ぐことも可能です。

 

1-1. 車両管理の必要性

 

車両管理で行わなければならないことが多く、なぜここまでしなければならないの?と重要性に疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし会社や社員、周囲の方々を守るためにも、車両管理は非常に大切な作業です。

 

車両管理を行う目的は、主に3つ考えられます。

 

1-1-1. 従業員の安全運転に対する意識を向上させる

 

社員が社用車で会社から出てしまえば、どのように車両を扱い、運転しているかを見ることはできません。

だからこそ、安全運転を日常的にできるよう、会社としては教育を徹底する必要があります。

 

安全に社用車を使用するためには、社員の運転に対する意識を向上させるだけでなく、車両自体の点検や整備も必要です。

 

車両管理業務は、そのどちらも管理するために重要な業務です。

 

1-1-2. 万が一のときに会社を守る

 

どんなに気を付けていても、絶対に事故は起こらないとはいい切れません。

しかし事故を起こせば、社会的な信用を失う可能性もあり、会社の存続にも関わる大きな責任問題となりえます。

 

日常的に車両管理を行い、社員への教育を徹底して行っていれば、そのリスクを回避できる場合もあります。

 

会社を守るリスクマネジメントのためにも、車両管理は重要な業務なのです。

 

1-1-3. 車両全般のコスト管理をする

 

車両管理をするうえで欠かせないのが、費用の管理です。

 

安全運転を徹底し事故が減れば、それに付随してかかる費用や保険料が減ります。

 

また、使用状況を把握することで、社用車の適性台数の把握や、ガソリン代や点検代といった維持費の試算もしやすくなります。

必要のない車両を手放せば、無駄な維持費もかからなくなるでしょう。

 

1-2. 車両管理責任者の仕事

 

車両管理の仕事は、さまざまな観点から見て、非常に重要な業務です。

その車両管理全般を行うのが「車両管理責任者」です。

 

車両管理責任者は主に次のような業務を行います。

 

【車両管理責任者の業務内容】

・台帳関係の管理

・従業員への車両に関するルールの徹底

・安全運転管理者の業務チェック

・定期点検や車検、保険関係の管理 など

 

また、これらを行っていくうえで、車両台数や保険料・ガソリン代など、コスト面が適正かどうかの判断もします。

収益の増加やコスト削減を車両管理の視点で考える必要もあるでしょう。

 

また、CSR(企業の社会的責任)の推進に関しても、安全運転や法令の遵守といった視点から、取り組んでいかなければなりません。

 

2. 会社が行うべき4つの車両管理

 

会社の車両管理では、車検・税金・保険など車自体の管理やドライバーの管理を行います。

しかし、それ以上に、行わなければならない重要な車両管理があります。

 

企業の車両管理責任者は、次にご紹介する4つの車両管理を忘れずに行いましょう。

 

2-1. 車両管理規程の作成

 

車両管理規程」とは、会社が所有する車両に関して定めるルールをまとめたものです。

 

万が一業務中に社用車を運転する社員が事故を起こしてしまえば、その社員だけでなく、会社自体も損害賠償責任を負う可能性があります。

そのようなリスクを避けるためにも、車両管理規程の作成が有効です。

 

また社用車使用のルールを明確化することで、車両関連で必要な台帳の作成を徹底でき、車両管理をスムーズに行う効果もあります。

 

ただし、車両管理規程はただ作ればよいわけではなく、効果を出すために定期的な見直しや、社員に対する周知徹底も重要です。

 

2-2. 安全運転管理者の設置

 

以下の条件を満たす企業では、「安全運転管理者」を設置し、選任後15日以内に公安委員会に届け出る義務があります。

 

・乗車定員が11人以上の自動車を1台以上所有している

・上記以外の自動車を5台以上(大型・普通二輪車は0.5台として加算。原付は含まない)所有している

 

さらに、20台以上の自動車を使用している事業所では、副安全運転管理者を20台ごとに一人設置しなければなりません。

これは、「道路交通法施行規則第九条の八」で定められています。

 

さらに道路交通法施行規則では安全運転管理者の資格要件について定めています。

 

【安全運転管理者の資格要件】

20歳以上かつ以下のいずれかに該当する者

・1年以上自動車運転管理の実務経験がある

・運転経験が3年以上ある

・公安委員会の認定を受けた

 

安全運転管理者は、社用車を安全に運行できるようにすることが主な業務です。

具体的な安全運転管理者の業務としては、運行計画の作成やドライバーの点呼・酒気帯びの有無・安全運転の指導などがあります。

 

2-3. 車両管理台帳の作成

 

車両管理台帳」とは、所有する社用車を管理するための台帳ことです。

決められた書式はないものの、どの会社でも同じような記載内容となっています。

 

【車両管理台帳の記載内容】

・車種や型式・色・ナンバーなど

・メンテナンスや事故の有無

・車検や整備の状況

・保険内容

・使用部署や管理部署(管理者)

・購入もしくはリースなどの情報

 

細かく管理する会社では、走行距離や給油状況などもまとめていることがあります。

 

車両管理の方法としては、自社で独自に作成する方法や、車両管理システムのサービスを導入する方法などがあります。

保有車両が多いほど管理が煩雑になるため、効率よく管理できるよう、工夫が必要です。

 

2-4. 運転者台帳の作成

 

運転者台帳」とは、企業がドライバーの管理責任を果たしていることの証明となる資料です。

 

貨物自動車運送事業輸送安全規則第九条の五では、一般貨物自動車運送事業者等は運転者台帳を作成し、ドライバーの所属する営業所に保管する旨を定めています。

 

正社員だけでなく、パートや派遣社員でも、運転業務を行うものは全員分作成します。

こちらも車両管理台帳同様、決められた書式はありません。

 

【運転者台帳の記載内容】

一 作成番号及び作成年月日

二 事業者の氏名又は名称

三 運転者の氏名、生年月日及び住所

四 雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日

五 道路交通法に規定する運転免許に関する次の事項

イ 運転免許証の番号及び有効期限

ロ 運転免許の年月日及び種類

ハ 運転免許に条件が付されている場合は、当該条件

六 事故を引き起こした場合又は道路交通法第百八条の三十四の規定による通知を受けた場合は、その概要

七 運転者の健康状態

八 第十条第二項の規定に基づく指導の実施及び適性診断の受診の状況

九 運転者台帳の作成前六月以内に撮影した単独、上三分身、無帽、正面、無背景の写真

引用:貨物自動車運送事業輸送安全規則第九条の五

 

運転者台帳は、たとえドライバーが退職しても、3年間は保存義務があります。

退職したからとすぐに捨ててしまわないよう注意しましょう。

 

3. 社用車を所有する会社に必要な「車両管理規程」

 

ご紹介した4つの重要な車両管理の中でも、とくに重視すべきなのが社用車利用のルールを定めた「車両管理規程」の作成です。

社員のみならず会社を守るためにも必要なものですので、基礎的なことを理解しておきましょう。

 

3-1. 車両管理規程と法律との関わり

 

車両管理規程は、民法とも深く関わっています。

民法では、「使用者等の責任」として、以下のことを定めています。

 

第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

引用:民法 第七百十五条

 

これは、万が一社用車で従業員が事故を起こした場合、会社側が従業員に対し適切な指導をしていなければ、会社にも損害賠償責任があることを定めたものです。

車両管理規程を作成し、従業員に対し周知することで、会社に責任が及ぶことを避けられる可能性があります。

 

3-2. 会社の車両管理規程に盛り込む内容

 

会社や社員を守るためにも、車両管理規程は正しい内容で作成し、周知徹底する必要があります。

車両管理規程に盛り込んでおきたい内容は、下記のような項目です。

 

【車両管理規程の内容】

①車両管理責任者の設置

②車両管理台帳・運転者台帳の作成

③車両保険への加入

④ドライバーの運転に関する注意事項やモラル

⑤事故発生時の対応方法や損害賠償

⑥マイカー通勤について など

 

車両管理規程はひな形を活用すると便利です。

さまざまなサイトで紹介されていますので、活用するとよいでしょう。

 

4. 社員の安全を守るためにできる車両管理

 

車両管理で最も重要なのは、さまざまな観点から社員の命を守ることです。

社員の安全を守ることは、会社を守ることにつながります。

 

ご紹介してきた車両管理以外にも、社員の安全を守る方法がいくつかありますので、ご紹介します。

 

4-1. ドライバー研修を行う

 

社用車での事故を防ぐために、安全運転研修を自動車教習所に依頼することができます。

 

研修内容は教習所によってさまざまですが、一般的には運転技能訓練によって、ドライバー自身が気付かない運転の悪い癖を指摘してもらい、より安全な運転ができるようになります。

また、日常点検やタイヤ交換の方法・危険予測の方法など、運転に関することを幅広く学ぶことも可能です。

 

教習所の中には、事故を起こしやすい・違反を頻繁にしているといった社員への研修や、新入社員研修を行っているところもあります。

社員の安全を守るために、これらの研修を実施するのもおすすめです。

 

4-2. 役員運転手を雇用する

 

社内でも重要な役職に就く役員の方々を守るために、役員運転手の雇用もひとつの方法です。

 

役員車は、比較的大型な車種が多く、運転にも高い技術が求められます。

また、多忙な役員自ら車の運転をしていては、疲れから注意力散漫になったり、事故を起こしてしまったりする可能性もあります。

 

プロの役員運転手であれば、大型車の運転にも慣れており、安全な運行が可能です。

事故が起こる危険を少しでも減らしたいとお考えの方は、検討してみるとよいでしょう。

 

5. まとめ

 

会社で行う車両管理は、日常的に社員の安全を守ることのみならず、コストの管理や万が一の際に会社を守るためにも重要な業務です。

そのためにも車両管理規程の作成や安全運転管理者の設置などをしっかり行い、社員に対する教育の徹底を心掛けましょう。

 

セントラルサービス」は、都内を中心とした役員運転手の派遣・請負会社です。

 

運転技術に長けたドライバーをご紹介いたしますので、役員の方々の安全を守るリスクマネジメントの観点で、非常にメリットがあります。

 

また、車両自体の管理も、お手伝いいたします。

車両自体の管理や清掃だけでなく、役員運転手が運転中に起きてしまった万が一の際の事故対応もお任せください。

 

派遣・請負の役員運転手にご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

 

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