タクシードライバーの将来性は?年収や向いている人も解説!
2025年04月24日
「就職や転職の候補としてタクシードライバーを視野に入れているけど、将来性があるのだろうか」と不安に思う方もいるでしょう。
自動運転の普及をはじめとした技術の進展により、タクシードライバーの将来性を不安視する見方も出ています。
一方で「人間ならではの接客スキル」や高度な運転技術が求められる業界でもあり、もともと運転や接客が得意な方は持っているスキルを活かして年収アップに結びつけることも可能です。
本記事では、タクシードライバーへの就職・転職を視野に入れている人向けに、タクシードライバーの将来性や年収事情を解説します。
目次
1.タクシードライバーの将来性は明るいと言われる3つの理由
タクシードライバーは今後も将来性がある業種の1つです。
今後、タクシー需要が増加すると見られている要因としては、長引く高齢化や配車アプリの本格的な普及、インバウンド需要の拡大などが挙げられます。
ここでは「タクシードライバーの将来性が明るい」と言われる主な理由を見ていきましょう。
1-1.高齢者の数が増えている
日本では、数十年単位で高齢化が深刻化しており、2040年には国民のおよそ3人に1人が65歳以上の高齢者になるといわれています。
足腰が弱ったお年寄りにとって、タクシーは貴重な移動手段です。
通院や趣味のお出かけ、日常の買い物など、タクシーは便利な移動手段としてさまざまな場面で活用できます。
タクシー業界は今後、高齢化による需要拡大が見込まれているため、将来性があると考えられます。
1-2.配車アプリが普及している
タクシー業界に起きている大きな変化が「配車アプリの普及」です。
「一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会」が公表している統計によると、配車アプリのユーザー数は2020年末から2024年末の4年間で約2倍にまで増加しています。
今後もユーザーの増加傾向は続き「2027年末には2,000万人を超える」というのが、現時点での予測です。
配車アプリが今後も順調に普及すれば、タクシー利用の活性化につながるため、ドライバーの需要も増加すると考えられます。
1-3.インバウンド需要の増加
インバウンド需要の増加も、タクシー需要を長期的に拡大させる要因の1つです。
JNTO(日本政府観光局)が公表している統計では、訪日外国人の数はコロナ禍を過ぎて順調に回復しており、2024年末には350万人に達しています。
インバウンド需要の増加は、タクシー業界にとっても大きなチャンスです。
主要なタクシー会社は長期的なインバウンド需要を見込み、主に以下のような対策に乗り出しています。
・翻訳アプリを活用した多言語対応
・従業員への継続的な外国語研修の実施
・SNSを通じた訪日外国人への発信
このように、インバウンドによる需要拡大が予測されているタクシー業界では、今後も多くのドライバーが求められるようになるでしょう。
2.タクシードライバーに将来性がない・やめとけと言われる理由
「将来性は明るい」と言われている一方で、加速する少子高齢化や自動運転・ライドシェアの普及により「タクシードライバーの需要は今後、低下する」と見られているのも事実です。
ここでは「タクシードライバーには将来性がない」「タクシードライバーになるのはやめとけ」と言われている主な理由を解説します。
2-1.ドライバーの年齢層が上がっている
少子高齢化が進んでいることで、タクシードライバーの年齢層は上がっています。
今後引退するドライバーも増えていくことから、業界の規模縮小が関係し、将来性が危ぶまれているようです。
タクシー会社の多くは若いドライバーを積極的に採用していますが、それでもドライバーの高齢化は解消されていません。
結果としてドライバーの数が足りなくなってしまうため、将来性がないと言われてしまいます。
ただし、タクシードライバーの仕事は基本的に座り仕事です。
シニア世代でも活躍できる可能性があるのは、タクシードライバーならではの魅力となるでしょう。
2-2.自動運転の普及が進んでいる
タクシー業界の将来性を脅かす要因の1つとして、自動運転技術の普及が挙げられます。
「LINEリサーチ」が行ったアンケートによると「今後、自動運転技術を利用したいと考えている」と回答した割合は「ぜひ利用したい」「機会があれば利用してみたい」を合わせると57%です。
ドライバーとしては、自動運転よりも優れた運転技術、および接客スキルの習得が今後の課題となります。
2-3.ライドシェアが拡大している
ライドシェアも自動運転と並んで、タクシードライバーの将来性を脅かす要因です。
ライドシェアとは「一般人が、自家用車か遊休車両を運転することで対価を得る」形態で、ここ数年日本でも注目が集まっています。
ライドシェアの普及がさらに進めば、プロのドライバーの需要が縮小するため、採用の減少につながるでしょう。
3.タクシードライバーの将来性につながる4つの要素
タクシー業界の将来性についてはさまざまな予測があり、未知数の部分が多いのも事実です。
ここでは、タクシードライバーとして将来を明るくするためのポイントを見ていきましょう。
3-1.運転技術
運転技術に熟練したドライバーは、多くの利用者から信頼されます。
ここ数年、自動運転技術は進歩を続けてきました。
しかし、予期せぬ車線変更や前方車両の急停車など、アクシデントへの対応は人間のほうが優れているのも事実です。
「AIではカバーできない部分」をフォローすることで、タクシードライバーとして、より評価されやすくなります。
3-2.コミュニケーション力
お客さんに合わせた柔軟なコミュニケーションも、自動運転やAIでは補えない要素です。
単純な運転技術はAIの進歩でカバーできても、人間らしい臨機応変なコミュニケーションまでは、なかなか難しいでしょう。
ちょっとした雑談力を磨くことも、タクシードライバーとして信頼されるポイントです。
3-3.情報力
自動運転の時代になっても、人間ならではの情報力は高く評価されます。
特に渋滞の多い時間帯は、ローカルな裏道を知り尽くしているドライバーの知識と経験が活かされるでしょう。
自動運転が普及しつつあるからこそ、人間ならではの柔軟な情報力が大切です。
3-4.適応力
時代の変化に無理なく合わせられるタクシードライバーは、どんな職場でも評価されます。
自動運転や配車アプリ・ライドシェアなど、タクシー業界は大きな変化を迎えるタイミングです。
変わりゆく時代に合わせつつ、本当に求められるスキルを身に着けられる人材がタクシー業界では求められています。
4.タクシードライバーに向いてる・将来性がある人
タクシードライバーに向いている人、将来性のある人の特徴は以下の通りです。
・コミュニケーションスキルが高い
・道をすぐに覚えられる
・自己管理能力が高い
タクシードライバーは、お客様を目的地に送り届けることが主な業務になります。
そのほかにも、お客様との雑談や質問への回答など、柔軟な接客が求められる場面も出てくるでしょう。
また、妊婦やお年寄りに対しては乗り降りを補助するといった、臨機応変な対応が必要です。
また、現代ではほとんどの車両にナビがついていますが、混雑回避や裏道などの細かいルートを知っていれば、顧客満足度も高まります。
さらに、タクシー会社の多くは明確なノルマを設けていません。
ノルマがないからといって惰性で仕事をするのではなく、自分自身で目標を設定し、スキルアップにつなげられる人は評価されやすいです。
日々の業務のなかで楽しみを見つけ、将来を見据えて自分を向上させる意欲が求められます。
5.タクシードライバーに向かない・将来性がない人
タクシードライバーに向かない、将来性がない人の主な共通点は以下の通りです。
・道を覚えるのが苦手
・安定した収入がほしい
カーナビに頼りきりでは道をなかなか覚えられず「渋滞が少ないルート」や「客が集中しやすいエリア」を予測することができません。
多くのタクシー会社は歩合制のため、問題点が改善できなければ給与が上がらず、さらに収入が不安定になる、という悪循環が生まれます。
会社の評価システムを活用して、早い段階で自分自身の「弱点」を把握し、能動的に改善する姿勢が重要です。
6.まとめ
タクシードライバーは長期的な将来性が見込まれる職種の1つです。
その背景として、高齢化による移動手段の変化や配車アプリの普及、インバウンド需要の拡大などが挙げられます。
自動運転やライドシェアではカバーできない高度な運転技術、きめ細やかな接客スキルを身につけることで、将来的にも安定して働き続けられるでしょう。
この記事で紹介した内容をもとに、ドライバーとしての働き方を検討してみてください。
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