「老後のことを考えて、定年後も働ける仕事を見つけたい」と考え、タクシードライバーに興味を持つ方は少なくありません。

また、定年の年齢前後に安定した収入を得られるか否かについても重要なポイントです。

 

本記事では、タクシードライバーの定年前後の働き方や収入について詳しく解説しています。

 

長く安定した収入を得たいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

 

 

1. タクシードライバーの定年は何歳？

 

タクシードライバーには法人と個人があり、定年制に違いが見られます。

本章では、法人・個人それぞれのタクシードライバーとして働ける年齢についてご紹介します。

 

1-1. 法人タクシーの場合

 

法人のタクシー会社の多くが定年制を設けており、会社によって年齢に違いはあるものの65歳を定年とすることが一般的です。

ただし、会社によっては嘱託社員や非正規社員として定年後も勤務可能なケースもあります。

 

もしタクシー会社への転職を検討されている40・50代の方は、定年や定年後の働き方についても確認しておくとよいでしょう。

 

1-2.　個人タクシーの場合

 

個人タクシーは個人事業主として営業するため、一般的に定年制度は存在しません。

 

ただし、1994年に国土交通省が個人タクシーに年齢制限を設けました。

2025年2月時点では、開業は65歳未満、更新は80歳未満（都市部では75歳未満）とされています。

そのため、個人タクシーであっても最長で80歳までしか働くことができません。

 

80歳まで働けるものの健康や交通事故などには十分な注意が必要であり、65歳以上で個人タクシー事業をおこなう場合、免許更新の期限が年齢を重ねるごとに短くなっていきます。

 

2. タクシードライバーの定年後に向けて考えるべきポイント

 

タクシードライバーの定年後に向けて考えるべきこととして、安定的な収入の維持と体力面が挙げられます。

本章にて、各ポイントを深掘りしていきましょう。

 

2-1. 安定的に収入を維持できるか？

 

定年後も安定した収入を維持するポイントは、固定給制を採用している会社を選ぶことです。

 

タクシー業界は、固定給＋歩合給もしくは完全歩合給制を採用している企業が多いとされていますが、歩合の割合が大きかったり完全歩合制だったりすると、収入が不安定になる恐れがあるでしょう。

 

固定給が設定されていれば、稼働率が多少減ったとしても、安定した収入が得られます。

 

【関連記事】タクシー運転手の歩合率とは？歩合制の特徴や手取りの計算方法を解説

 

2-2.体力的に仕事を継続できるか？

 

「体力的に仕事を継続できるか不安…」という方は、勤務体系に目を向けてみましょう。

 

タクシードライバーの働き方は、日勤・夜勤・隔日勤務の3つがあり、夜間の稼働がない日勤が高齢ドライバーにもっとも人気があります。

 

ただし、夜勤や隔日勤務に比べて高収入を得ることは難しいため、稼ぎたい額や体力面などと相談しながら働き方を決めてみましょう。

 

3. 定年を見据えた40・50代のタクシードライバーの働き方

 

本章では、定年を見据えた40・50代のタクシードライバーの働き方についてご紹介します。

 

40・50代の方が、将来を考えて転職を検討するケースは多いとされています。

しかし、無策で転職しても就職後に苦労することとなるため、老後のことも考えてさまざまなプランを検討しておきましょう。

 

3-1.若いうちに稼ぐ

 

40・50代のタクシードライバーの方は、今のうちから稼げるコツを理解しておきましょう。

タクシー会社は歩合制を採用していることが多いので、定年後も高収入を得られるベテランドライバーとして活躍できるでしょう。

 

タクシードライバーは40代でも若手とみなされるほど平均年齢が高い職業のため、40・50代からの転職でも決して遅くはありません。

 

3-2. 他のドライバー職への転職を検討する

 

ドライバー職はタクシードライバー以外にも複数あるため、別のドライバー職を検討してみるのもよいでしょう。

 

例えば、企業の社長や役員を送迎する役員運転手は、中高年の落ち着きやビジネスマナーを備えた人材が重宝されやすく、40～60代の方でも活躍が見込めます。

 

タクシードライバーよりも守秘義務やビジネスマナーに対する要求は高い傾向にありますが、安定した収入と働き方を確立したいという方におすすめです。

 

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【関連記事】役員運転手の実態｜仕事内容や向いている人の特徴を徹底解説

 

3-3. ドライバー以外の仕事を検討する

 

ドライバー職以外にも、定年後も働ける仕事は複数あります。

 

代表的な仕事として、警備員・清掃員・介護職員・軽作業員などが挙げられます。

もし将来を見据えて転職を検討する場合は、その職種で生かせる資格やスキルについても確認しておくとよいでしょう。

 

4. タクシードライバー 定年に関するよくある質問

 

本章では、タクシードライバーの定年に関するよくある質問にお答えします。

 

4-1. タクシードライバーの平均年齢は？

 

全国のタクシードライバーの平均年齢は約60歳といわれています。

 

国土交通省が公開する「タクシー運転手の現状とタクシーに関する事故データ」によると、2020年の最大年齢層が65～69歳だったのに対し、2022年は70～74歳が最大年齢層になっていることからもタクシードライバーの高齢化が見て取れるでしょう。

 

4-2. タクシードライバーに転職するのは何歳からが多い？

 

タクシードライバーへの転職は40～50代が多いといわれており、その理由としては主に以下が挙げられます。

 

・平均年齢が高く転職しやすい

・未経験でも転職が可能で、将来のことも考えて多職種からの転職希望者が多い

・歩合給制を採用する会社が多く、努力次第で年齢に関係なく高収入を目指せる

 

接客業でもあるタクシードライバーに求められるのは、高い運転技術・接客能力・ビジネスマナーであり、タクシー業界としても40・50代を重宝する傾向にあります。

 

4-3. タクシードライバーとして働きながら年金は受け取れる？

 

年金は、タクシードライバーとして働いている場合であっても10年以上の保険料納付済み期間があれば、国民年金・厚生年金を問わず受給できます。

 

65歳以上70歳未満の方であれば、タクシードライバーとして働く期間を厚生年金に加入し、将来の年金額を増やすことも可能です。

 

ただし、在職老齢年金という制度には注意が必要です。

2024年度の場合、基本月額（年金の額）と総報酬月額相当額（給与と賞与に基づく額）の合計が月額50万円を超えると、超えた分の半分の年金額が支給停止されてしまいます。

 

50万円を超過しなければ年金が減額されることはないため、総報酬月額相当額の合計に注意しておきましょう。

 

5. まとめ

 

タクシードライバーの定年は、法人であれば65歳が一般的であり、個人タクシーであれば最長80歳まで携わることができます。

顧客獲得のコツを理解できれば、安定した収入を確保しながら、長く働くことも可能です。

 

落ち着いた雰囲気での接客やビジネスマナーなど、人生経験が豊富な40・50代だからこそ発揮できる能力もあるため、自身の長所を生かした働き方を確立していきましょう。

 

また、役員運転手も豊富な人生経験を生かせるドライバー職として人気があります。

 

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