ハイヤードライバーとは?仕事内容や年収、転職までの3ステップを解説
2025年02月17日
ハイヤードライバーに興味があるけど、具体的な仕事内容や収入、必要な資格が分からず悩んでいる方もいるでしょう。
ハイヤードライバーは、高級車でVIPや企業役員を送迎する仕事で、高い接客スキルやビジネスマナーが求められます。
人によってはきつさを感じる場面もありますが、安定した収入ややりがいを感じられる仕事です。
本記事では、ハイヤードライバーの仕事内容や平均年収、必要な資格などを解説します。
ハイヤードライバーの仕事が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. ハイヤードライバーとは?求められる役割と仕事内容
ハイヤードライバーは、企業の役員や社長、海外VIP、政治家など、地位のある方の送迎をする仕事です。
ハイヤードライバーの主な仕事内容の例は次のとおりです。
・顧客の送迎
・予約管理
・車両管理
・待機
・サービス提供
経営者やVIPと関わるため、コミュニケーション能力や気配りも重要なスキルとなります。
2. ハイヤードライバーの働き方・勤務体系
ハイヤードライバーは、顧客のスケジュールに合わせて勤務するため、基本、休日や祝日も含むシフト制です。
ハイヤードライバーの1日の流れをご紹介します。
・8:00~8:30:出勤
・8:30~10:00:準備・待機
・10:00~12:00:送迎
・12:00~13:00:休憩
・13:00~15:00:準備・待機
・15:00~18:00:送迎
・18:00~:退社
上記の流れは一例ではありますが、完全予約制で送迎する場所も決まっているため、スケジュールを立てやすい傾向にあります。
しかし、顧客によっては会食やゴルフなどの接待で、夜や休日に仕事をすることも少なくありません。
3. ハイヤードライバーになるために必要な資格やスキル
ハイヤードライバーとして活躍するためには、第二種運転免許と顧客に快適な時間を提供するスキルが求められます。
ここでは、ハイヤードライバーに必要な資格とスキルについて解説します。
3-1. 必要な資格
ハイヤードライバーは営利目的で人を送迎するため、第二種運転免許が必要です。
第二種運転免許は、普通免許を取得してから3年以上経過しており、かつ学科試験と実技試験に合格すると取得できます。
ただし、2022年5月13日に道路交通法の一部を改正する法律等が施行され、二種免許を含む大型免許、中型免許の受験資格が緩和されました。
受験資格特例教習を修了することを条件に、19歳以上で、かつ、普通免許等を受けていた期間が1年以上あれば、二種免許を受験できます。
第二運転免許は、以下2つの方法で取得可能です。
・教習所に通う
・一発試験を受ける
一発試験は難易度が高いため、教習所に通う方が多い傾向にあります。
3-2. 求められるスキル
ハイヤードライバーとして活躍するためには、運転技術だけでなく、顧客に快適な時間を提供するためにさまざまなスキルが求められます。
ハイヤードライバーに求められるスキルをみていきましょう。
3-2-1. 高い接客スキル
ハイヤードライバーには、顧客の傾向を理解したうえでの高い接客スキルが要求されます。
顧客は、VIP層が多いため、乗車中の移動時間が貴重な休憩時間や業務連絡に充てられることがあります。
貴重な時間を顧客が快適に過ごすために、ドライバーは次の点を意識しましょう。
・ビジネスマナーに沿った対応をする
・振動に配慮した心地よい運転を徹底する
・空調を最適に保つ
・顧客を乗せる際に荷物を運んだり、ドアの開閉をしたりする
ハイヤードライバーとして活躍するために参考になるのは、ホテルや高級レストランの接客です。
洗練されたサービスを身につけましょう。
3-2-2. コミュニケーション能力
ハイヤードライバーには、コミュニケーション能力が不可欠です。
より具体的にいえば、顧客の言葉にされない要望を、表情や仕草から読み解く観察力と、状況に応じた対応力が重要です。
例えば、顧客が携帯電話を頻繁に気にしているなら、重要な連絡を待っているのかもしれません。
その場合は、静かな環境を維持し、話しかけるのを控えるのが適切です。
重要なのは、顧客が何を求めているかを常に意識したコミュニケーションを徹底することです。
3-2-3. 標準以上のビジネスマナー
ハイヤードライバーはVIPや企業役員などに関わるため、高いレベルのビジネスマナーが求められます。
身だしなみを整える、挨拶をする、正しい言葉遣いをする、姿勢を正すなどは最低限身につけておいた方がよいでしょう。
これに加えて、パーティー会場や料亭、ゴルフ場などでのふるまい方も身につけておくと役立ちます。
これらのマナーを身につけることで、顧客に信頼されるハイヤードライバーとして活躍でき、リピートもしくは専属のドライバーになれる可能性があります。
3-2-4. 時間管理能力
ハイヤードライバーは、顧客のスケジュールに影響を与えないよう正確な時間で送迎を行う必要があるため、時間管理能力が欠かせません。
例えば、交通状況を事前に確認し、余裕をもって目的地に到着できるよう計画を立てることが求められます。
また、待機時間には、次の予定に備えて複数ルートを考えたり、いつ連絡がきても対応できるように準備したりすることが重要です。
3-3. 未経験からの応募の可否
ハイヤードライバーは、未経験でも応募できます。
ハイヤー運転手になるには、第二種免許の取得が必須ですが、資格取得制度や教育プログラムが充実した企業もあります。
さらに、入学祝い金や月収補償制度などが利用できる会社を選べば、転職時のお金の面での負担も大きく軽減されるでしょう。
4. ハイヤードライバーの平均年収・他のドライバー職との比較
ハイヤードライバーの収入は、経験やスキルなどによって異なりますが、ここでは平均的な年収と、他の運転に関わる仕事との比較について解説します。
4-1. 平均年収
ハイヤードライバーの平均年収は、400万円~500万円ほどです。
一般的にハイヤードライバーの給与体系は、基本給+歩合給です。
また、勤務先の企業によっては、ボーナスの支給がある場合もあります。
某企業では、基本給20万618円以上+評価給+諸手当が給与で支給されています。
加えて、月収補償制度があり28万5,000円は、業績問わず受け取れるようです。
仮に、月収28万5,000円のみで年収計算すると342万円となり、これに手当やボーナスが加わると年収は400万円程度になるでしょう。
スキルアップや経験を重ねていくと、それに合わせて給料もアップし、年収500万円以上稼げる方もいます。
ハイヤードライバーになって年収アップしたい方は、経験を積んでスキルアップを目指しましょう。
関連記事:ハイヤー運転手の平均年収はいくら?給与アップの方法や適性をご紹介
4-2. 他の運転する仕事と比較
ハイヤードライバーの平均年収を他の運転する仕事と比較すると、以下のとおりです。
ハイヤードライバー | 約400万~500万円 |
タクシードライバー | 418万9,900円 |
営業用大型貨物 自動車運転者 | 486万7,300円 |
営業用貨物 自動車運転者 (大型車を除く) |
440万1,700円 |
バス運転者 | 456万1,100円 |
ハイヤードライバーの年収は、他の運転する仕事と同じくらいの年収となっています。
しかし、働き方や経験によっては500万円以上になるケースもあるため、他の運転する仕事よりも稼げる可能性があるでしょう。
参照:一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会「タクシー運転者賃金・労働時間の現況
5. ハイヤードライバーのやりがい
ハイヤードライバーの仕事には、大きなやりがいがあります。
どのようなやりがいがあるのか、詳しく解説します。
5-1. 経営者やVIPと一緒に仕事ができる
ハイヤードライバーの大きな特徴は、普段は接する機会の少ない方と一緒に仕事ができる点です。
企業のトップや著名人との関わりを通じて、ビジネスの最前線の空気に触れられます。
また、そうした方々との会話や行動から、ビジネスマナーや社会性を学ぶ機会も多くあります。
このような経験は、自身の人生においても貴重な財産となるでしょう。
5-2. 成長を実感できる
ハイヤードライバーは、日々の業務を通じて自身の成長を実感できる職業です。
特に、接客スキル・ビジネスマナー・コミュニケーション能力など、社会人として重要なスキルを高いレベルで身につけられます。
成長して顧客から高い評価を受ければ、指名や専属運転手の話が舞い込むかもしれません。
自身の成長を実感しながら働ける点が、この仕事のやりがいの1つです。
5-3. 安定した給料が得られる
ハイヤードライバーの給与形態は、基本給+歩合制であることが多いため、安定した給料が得られます。
また、経験やスキルに応じて昇給やボーナスが期待できるため、長期的にも収入が安定します。
安定した収入があることで、体調不良やライフスタイルの変化があっても仕事を続けやすいため、長く安心して働ける環境が整っているといえるでしょう。
6. ハイヤードライバーに向いている人
ハイヤードライバーに向いている人には、共通する特徴があります。
どのような人がハイヤードライバーに向いているのかについて解説します。
6-1. おもてなし精神がある人
ハイヤードライバーにとって大切なのは、常におもてなしの精神で接客をする姿勢です。
マニュアル通りの接客だけでは、あえてハイヤーを選んで利用する顧客を満足させることは難しいでしょう。
顧客に喜んでもらうために、接客を工夫し続けられる方がハイヤードライバーに向いています。
例えば、車内の温度や座席の調整、スムーズなドアサービスなど、細かな配慮が求められます。
単なる運転手ではなく、一流のサービスマンとしての意識を持つことが、ハイヤードライバーにとって重要な資質です。
6-2. 長時間運転ができる人
ハイヤードライバーは、長時間の運転業務が発生する職業です。
そのため、長時間の運転に耐えられる体力や集中力が求められます。
また、単に長時間運転できるだけでなく、時間を守りつつ安全運転を維持することが大切です。
持続的な集中力を保てる人に適した仕事といえるでしょう。
6-3. 守秘義務やコンプライアンスの意識が高い人
ハイヤードライバーは、企業の役員や政治家などを乗せる機会が多いため、守秘義務の徹底が求められます。
車内では、機密情報に関わる会話や誰がいつどこで会食をするかなど、スケジュールが把握できてしまいます。
これらの情報を漏らしてしまうと、顧客に大きな損害をもたらしかねません。
そのため、外部に漏らさないように秘密を守ることは必須です。
顧客の会話やスケジュールなど、業務上知り得た情報を適切に管理できる人が向いています。
6-3. 顧客目線で考えられる人
ハイヤードライバーは、顧客目線で考えられる人が向いています。
顧客によって快適だと感じる空間は異なります。
顧客目線で考えられると、顧客の立場に立って、何が必要で何が快適かを常に考え、それに応じたサービスの提供が可能です。
顧客に合った対応ができる方は、顧客からの信頼を得やすく、長くこの仕事で活躍できるでしょう。
7. ハイヤードライバーになるための3ステップ
ハイヤードライバーになるためには、大きく分けて3つのステップを踏む必要があります。
3つのステップを順番に詳しくみていきましょう。
7-1. STEP1:会社を選ぶ
ハイヤードライバーになるための第一歩は、自分に合った会社を選ぶことです。
ハイヤーを運営する会社は大手企業から中小企業まで、多数あります。
また、正社員のみならず派遣社員や、経験を積んで専属運転手になるのも選択肢の1つです。
給与体系や福利厚生なども確認し、自分がどのような環境で働きたいのかを考えたうえで選びましょう。
7-2. STEP2:面接を受けて採用される
会社を選んだら、次のステップは面接を受けて採用されることです。
面接では、コミュニケーション能力やビジネスマナーなどがチェックされています。
面接では、以下質問をされることが多い傾向にあるため、対策が必要です。
・志望動機
・ハイヤードライバーを目指した理由
・自己PR
・職歴
・入社後のキャリアプラン など
練習せずに採用される可能性は低いため、何度も練習して面接に臨みましょう。
7-3. STEP3:研修を受けて実務をスタートする
採用が決まったら、最後のステップとして研修を受け、実務をスタートします。
研修では、以下のようなハイヤードライバーとして必要な知識や技術を学びます。
・交通関連のルール
・ビジネスマナー
・走行する地域の地理
・路上研修 など
ハイヤードライバーに関わる知識や技術をしっかり学んでから、実務に出られる会社を選ぶと、不安が少ない状態でハイヤードライバーデビューができるでしょう。
8. ハイヤードライバーになる前に知っておくべきこと
ハイヤードライバーは、やりがいのある職業である一方で、いくつかの覚悟が必要な仕事でもあります。
ハイヤードライバーになる前に知っておくべきことを3つ解説します。
8-1. 待機時間が長くなることがある
ハイヤードライバーの仕事は、送迎先で顧客を待ったり、次の予約まで待機したりと、待機時間が長時間になることも少なくありません。
待機時間中は車両のメンテナンスや情報収集、職場の人とのコミュニケーションなどで時間を過ごしますが、日によっては暇になってしまう可能性があります。
しかし、顧客から連絡がきたらすぐに対応できなければいけないため、事務所から離れた場所に出かけたり、休憩をとったりするのが難しいことがあります。
長い待機時間は、人によっては精神的にも身体的にも苦痛になるかもしれません。
8-2. レベルの高い接客スキル・ビジネスマナーが求められる
ハイヤードライバーの顧客は企業の役員やVIPであるため、高度な接客スキルとビジネスマナーが求められます。
例えば、言葉遣いや立ち振る舞いだけでなく、ドアの開閉の仕方や荷物の扱い方にも細やかな配慮が必要です。
ビジネスマナーが身についていないと、信頼を得ることが難しくなり、指名を受けにくくなる可能性があります。
そのため、採用後の研修だけでなく、日々の業務のなかでも自己研鑽を続けることが大切です。
8-3. 高度な運転技術や地理の知識が求められる
ハイヤードライバーには、安全で快適な移動を提供するための高度な運転技術が求められます。
また、スムーズなルート選択のために、地理の知識も必要不可欠です。
具体的には、スムーズな発進・停止や、乗り心地を考慮したハンドル操作、渋滞を避けるための裏道知識、交通規制の把握などが必要です。
初めから知っている必要はありませんが、身につけるために学び続ける必要があります。
9. まとめ
ハイヤードライバーは、会社の役員や政治家、海外VIPなどを目的地まで安全かつ快適に送迎する仕事です。
経営者やVIPと関われたり、成長を実感できたりとやりがいがある一方で、待機時間が長かったり、レベルの高いビジネスマナーが求められたりときつく感じる場面もあります。
仕事内容・必要なスキル・働き方の実態などを把握したうえで、ハイヤードライバーへ転職するか検討しましょう。
ハイヤードライバーと同様に、会社の役員や政治家の送迎をする役員運転手という仕事もあります。
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