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タクシー運転手の歩合率とは?歩合制の特徴や手取りの計算方法を解説

タクシー運転手の歩合率とは?歩合制の特徴や手取りの計算方法を解説

タクシー運転手の給与における大きな特徴の一つが、歩合制です。

歩合制は、高額な報酬を得られる可能性がある一方で、収入が不安定になりやすい部分が懸念されます。

 

そこで本記事では、歩合制の仕組み・最低賃金・パターン別の報酬シミュレーションなどを解説します。

 

タクシー運転手への転職を検討している方、ドライバーとして高収入を得られる仕事を探している方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

1. タクシー運転手における歩合制・歩合率とは?

 

本章では、タクシー運転手における歩合制の仕組みや歩合率の割合についてご紹介します。

 

仕組みを理解して、転職時の参考にしてください。

 

1-1. 歩合制・歩合率の仕組み

 

タクシー運転手における歩合制とは、顧客から得た運賃(売上)に応じて給料が支払われる仕組みのことであり、この取り分の割合を歩合率といいます。

 

タクシー業界では歩合制を採用していることが多く、一部歩合制か完全歩合制かは企業によって異なります。

 

顧客を乗せるほど収入は上がるため、運転手の努力次第でより多くの収入を得られることが魅力といえるでしょう。

 

1-2. 一般的な歩合率の割合(パーセンテージ)と計算方法

 

歩合率はタクシー会社によって異なり、50~60%が一般的といわれています。

 

歩合率は会社によって独自のルールや計算式が存在するケースも珍しくありません。

(例:売上にノルマが設定され、超えた場合は高い歩合率を、超えないと低い歩合率を適用するなど)

 

歩合率が高いほど売上に応じて給料は上がりやすくなるものの、会社によっては車両や燃料代込みで設定しているケースもあるため、福利厚生やサポート面・歩合率の計算方法なども細かくチェックしておきましょう。

 

2. タクシー運転手の歩合給と最低賃金

 

本章では、タクシー運転手の歩合給と最低賃金についてご紹介します。

 

最低賃金制度とは、各都道府県が設定した最低賃金レベルに基づき、労働者が労働した日数・時間に応じて支給される最低給与を規定する制度のことです。

(国内の都道府県ごと、地域ごとに異なる最低賃金額が設定されています)

 

最低賃金については、厚生労働省の「タクシー運転手の最低賃金について」を参考に解説します。

 

2-1. 一部歩合給の場合

 

一部歩合制(固定給+歩合給制)の場合、各時間の賃金額を計算し、合算したものを時間当たりの総賃金額とします。

 

時間当たりの総賃金額=(固定給÷所定労働時間)+(歩合給÷月間総労働時間)

 

例えば、月間総労働時間200時間・所定労働時間170時間・固定給85,000円・歩合給56,000円であれば、時間当たりの賃金額は780円です。

(85,000円÷170時間)+(56,000円÷200時間)=780円

 

もし地域別最低賃金が764円であった場合は、最低賃金以上となり法的要件を満たしていることになります。

 

2-2. 完全歩合給の場合

 

完全歩合給の場合、歩合給の時間当たりの賃金額は、歩合給を得るために働いた総労働時間で割って計算されます。

(時間外・深夜の割増賃金は、最低賃金額との比較にあたって算入されない)

 

例えば、歩合給が144,000円・月間総労働時間が200時間であれば、144,000円÷200時間=720円です。

 

もし地域別最低賃金が764円であった場合は、最低賃金を44円下回っており、この差額に対する割増分を支払わなくてはいけません。

 

3. タクシー運転手の収入はどのくらい?歩合を想定したシミュレーション

 

タクシー運転手の給与体系は、一部歩合制(A型賃金)・完全歩合制(B型賃金)が主です。

本章では各給与体系の収入例をご紹介します。

(会社によっては、A型・B型を合わせたAB型賃金を採用しているケースもある)

 

タクシー運転手の平均年収については以下記事で詳しく解説しておりますので、あわせてご参照ください。

【関連記事】タクシードライバーの平均年収は?給料体系や他業種との比較も掲載

 

3-1. 一部歩合制(A型賃金)

 

A型賃金は一部歩合制(固定給+歩合)のことであり、固定給と会社が定めた売上を超えた分に発生する歩合を足す給与形態です。

 

例えば、固定給が15万円・歩合給が5万円であった場合、計20万円が基本的な収入です。

上記に加え、時間外・深夜割増賃金、福利厚生がしっかりしている会社であれば精皆勤手当・通勤手当・賞与などが加算されるケースなどもあるでしょう。

 

この総支給額から、税金や健康保険などの諸費用を引かれた金額が手取り額となります。

 

3-2. 完全歩合制(B型賃金)

 

B型賃金は完全歩合制であり、自身の売上に応じて給与が発生します。

 

例えば、1ヶ月の売上が50万円・歩合率が60%であった場合、基本的な月給は30万円です。

 

さらに、業務時間や時間帯によって時間外割増賃金・深夜割増賃金が加算され、この総支給額から税金や健康保険などの諸費用を引かれた金額が手取り額となります。

 

4. 【歩合で稼ぐ!】タクシー運転手が安定した給与を得る3つのポイント

 

本章では、タクシー運転手そして歩合制で安定した稼ぎを得るために意識すべき3つのポイントをご紹介します。

 

4-1. 待機時間を短くして効率よく営業する

 

待機している時間が長いほど売上に影響するため、どれだけ待機時間を短くできるかが大切です。

 

待機時間を短くするコツとして、スマートフォンの配車アプリを活用し効率よく顧客を確保することが挙げられます。

また、駅や繁華街といったタクシー需要がある場所で働くことも重要といえるでしょう。

 

4-2. 長距離狙いをしない

 

「長距離の顧客を増やせば給与アップに繋がる」という声もありますが、無理に長距離にこだわる必要はありません。

 

そもそも顧客の目的地は乗せてみなければ分かりませんし、長距離だと拠点に戻るまでに時間がかかり効率も悪くなってしまいます。

 

長距離を狙うよりも、距離に関係なくこまめに顧客を乗せているほうが、収入アップに繋がるでしょう。

 

4-3. 運転技術や接客マナーなどサービスの質を向上させる

 

タクシー運転手への転職を検討している方は、日頃から安全運転や接客マナーについて勉強しておくとよいでしょう。

 

質の高い接客を心がけることで、多くのリピーターが獲得できるようになり売上向上に繋がります。

 

タクシー運転手は業種未経験からでも応募でき、就職後に運転やマナーなどの研修を受けることもできますが、転職前からタクシー運転手に関する知識を勉強しておけば、研修もより理解を深めやすくなるでしょう。

 

5. まとめ

 

タクシー運転手の給与は、一般的に歩合制が取られています。

歩合率は50~60%が一般的ですが、完全歩合制を採用している会社もあります。

タクシー会社によって条件が異なるため、求人情報などを詳しく確認しましょう。

 

歩合制は、売上次第では収入を大きく増やせるチャンスですが、一方で収入が不安定になりやすいというデメリットもあります。

 

収入の安定性を重視する方には、役員運転手として働くという選択肢もあるでしょう。

役員運転手は主に企業の役員を送迎する仕事です。

固定の顧客を長期的に担当することが多いため、収入や稼働時間が安定しやすい傾向にあります。

 

弊社セントラルサービスは、役員運転手の派遣・請負会社です。

現在、未経験の方を含めて積極的にドライバーを募集しているため、興味のある方はぜひ気軽にお問い合わせください。