役員の車両借り上げと買取どちらがいい?メリット・デメリットを徹底比較
2021年09月09日
中小企業では役員の自家用車を社用車代わりに利用していることが意外と多いようです。
しかしそのままではガソリン代や車検代などを会社の経費に計上することが難しい場合があります。
そこで車両にかかる費用を経費として計上するために考えられる方法は、以下のふたつです。
・役員の車両を借り上げる
・役員の車両を買い取る
どちらもそれぞれ、メリットもあればデメリットもあります。
そこで今回は、役員の車両を借り上げた場合と、買い取った場合のメリット・デメリット、気をつけるべき注意点をご紹介します。
監査が入っても問題とならないように車両の入手方法を考えましょう。
目次
1. 役員の自家用車を会社で利用する方法
元々役員が所有していた自家用車を会社で利用する場合、会社経費として計上するために2つの方法があります。
「レンタルとして借り上げる」方法と、「買い取る」方法です。
どちらの方法も正しく経費を計上しなければ税務調査でもめる可能性があるため、正しい知識を身につけておく必要があります。
1-1. 役員の自家用車を利用する場合の注意点
役員の車両を賃貸・売買どちらで利用する場合でも役員がプライベートで利用すると、その部分は会社経費になりません。
実際の私的利用と公的利用の割合に沿って経費を計上する必要があります。
では「借り上げ」と「買い取り」それぞれのメリット・デメリットをご紹介していきます。
2. 役員の自家用車を借り上げる
役員の自家用車を会社が有償で借り上げて利用する場合、「賃貸借契約書」をかわす必要があります。
発生する賃料は会社の経費として計上できます。
ガソリン代・高速利用料などは経費精算して会社経費にできるでしょう。
ただし保険・車検・修理費用まで経費にあげると、税務調査でもめる可能性があるので注意が必要です。
これらの費用を経費としてあげるのであれば、買取の方が安心です。
2-1. 役員の車両を借り上げる場合のメリット・デメリット
では役員の自家用車を借り上げる場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
《メリット》
・賃料が会社の経費になる
・名義変更の手間がない
《デメリット》
・役員は受け取った賃料に対して所得税がかかる
役員にかかる所得税ですが、経費を上回る価格になると発生します。
以下のように考えるといいでしょう。
「レンタル料≦減価償却費+自動車保険料+自動車税など」
このような価格に設定すれば、役員の所得は発生せず、確定申告も必要ありません。
2-2. 役員の車両を借り上げる場合の注意点
役員の車両を借り上げるには、実はもう一つ方法があります。
それは「無償」で借り受ける方法です。
役員と会社の間で一切の賃金は発生しませんが、「使用貸借契約書」を作成しておくといいでしょう。
ガソリン代などは会社経費として計上できますが、契約書に会社側が負担する費用などの詳細を明記します。
3. 役員の自家用車を買い取る
会社で自家用車を買い取る場合、譲渡契約を交わし名義を会社に書き換えます。
完全に企業の所有物になるため、減価償却費や維持費などすべてを法人の費用として計上できるようになります。
これらを会社経費として計上するためには
①法人名義である
②法人の事業専用車である
ことが大前提です。
もともと法人名義で購入するつもりだったものの、さまざまな問題があり、やむを得ず個人名義で購入した場合に利用できる方法です。
もともと社用車として利用する目的がなく購入した車を買い取ることはできないので、注意しましょう。
3-1. 役員の自家用車を買い取る場合のメリット・デメリット
では買い取った場合のメリットやデメリットにはどのようなことが考えられるでしょう?
《メリット》
・維持費もすべて会社経費にできる
《デメリット》
・任意保険の保険料が高くなることがある
・名義変更に手間と手数料がかかる
メリットは、税務署の目を気にせずにすべての費用を会社の経費にできることです。
逆にデメリットは保険料。
会社保有の車の場合、自家用車と比べて任意保険の等級が低くなりがちです。
そのため保険料が高くなる可能性があります。
また名義変更の手間もあります。
3-2. 役員の自家用車を買い取る場合の注意点
最大の問題は、いくらで売却するかです。
適正価格でない場合、税務署からの指摘を受ける可能性が十分にあります。
役員側が得をする、反対に会社側が得をする価格にはならないように注意が必要です。
適正価格にするには、業者の査定した価格や複数の中古車販売会社の平均価格などを参考にしましょう。
価格決定の際に参考にした資料は必ず残しておきましょう。
4. 役員運転手の経費を抑えるなら
もう一点役員車の経費で考えられるものがあります。
役員運転手を雇用するかどうかの問題です。
もちろん社長や役員自ら運転する場合は問題ありませんが、ドライバーを雇う場合その分の経費も考慮しなければなりません。
人を一人雇用する場合かかるのは、給与だけではありません。
採用時には採用費・教育費・備品費など、さらに1年間のランニングコストは社会保険料・福利厚生費・賞与・退職金の積み立てなどがかかります。
これらの経費をできるだけ抑えるには、派遣や請負の役員運転手を依頼するのが一番です。
たまにドライバーが必要な場合はスポットで依頼することもできますし、月極契約もできます。
必要な時に必要な時間だけ利用でき、移動中に車内で休息をとったり仕事を進めることもできるのです。
4-1. 「セントラルサービス」の役員運転手
「セントラルサービス」は、東京を中心とした役員運転手専門の派遣・請負会社です。
もちろんスポット・月極契約のどちらにも対応しています。
厳しい研修をこなし、高度なスキルとビジネスマナーを身につけたドライバーが500名以上在籍。
英会話ができる・左ハンドルに慣れているドライバーなどのご希望に合わせて、ベストな人材を派遣・請負いたします。
料金やご不明点があれば、お気軽にお問い合わせください。
「セントラルサービス株式会社」
TEL:03-6380-9151
メールでのお問い合わせはこちらまで
5. まとめ
役員所有の車両を会社で利用する場合、「車両を借り上げる方法」と「購入する方法」のふたつの方法があります。
どちらの方法もメリット・デメリットがありますので、比較しながらお得な方を考えて選びましょう。
ただしこのような社用車の入手方法は、監査でも厳しく見られる部分です。
また会社で利用する場合の注意点も数多くあります。
車両の所有者が誰か、どこまで経費として計上できるのかをしっかり理解して車両を入手しましよう。
また車関連で経費を抑えるなら、役員運転手は派遣や請負のドライバーを雇用するのも一つの方法です。
役員は車内で自由に時間を過ごせる上に、必要な時だけ利用することもできます。
自社雇用するよりもはるかに人件費を抑えられ、役員の時間も確保できるなど多くのメリットがあります。
経費を抑えるためにも上手に活用しましょう。
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